クトゥルフ神話の世界には多くの架空の魔導書が存在し、また現実にも多数の魔導書が実在しています。そうしたクトゥルフ神話に登場する魔導書をコンセプトに執筆された本が Amazon で購入できるので、もってるものをまとめてみました。
ちなみに全部絶版してます。
ネクロノミコン
アブドゥル・アルハザードは、ネクロノミコンの著者とされている人物の名前です。ネクロノミコンについては新クトゥルフ神話TRPGルールブック226ページ、あるいはクトゥルフ神話TRPG129ページなどに解説がなされています。
この架空の魔導書はラヴクラフトの作品に頻繁に引用されます。「クトゥルフの呼び声」で、カストロという老人が引用した一節は、クトゥルフ神話TRPGの背表紙にある文句そのままです。
That is not dead which can eternal lie,
And with strange eons even death may die.
ネクロノミコンについては、ラヴクラフトの死後に出版された「ネクロノミコンの歴史」という小説(というか、多分ラヴクラフトのメモだったんじゃないか?)に詳しく書かれています。
ネクロノミコン アルハザードの放浪
ドナルド・タイスンによって執筆されたネクロノミコンです。ラブクラフトの作品に登場する「ネクロノミコンからの引用」がすべて実際に含まれているとか。本当に?やばくない?
「アルハザードの放浪」の通り、ネクロノミコンの著者であるアブドゥル・アルハザードの旅と、彼の生涯にまつわる補足、それから役者である大瀧啓裕さんによる解説が付されています。
Amazon で買えると紹介しておいてなんですが、普通に絶版してます。中古が購入できます。
魔導書ネクロノミコン
ネクロノミコン断章という、ジョージ・ヘイによって編集された偽書(偽書?)を収録した本です。16世紀の魔術師ジョン・ディーの暗号文を解読すると、20世紀にラブクラフトが執筆した小説群と同じことが書いてある、……クトゥルフ神話は事実だったんだ!という体裁。
ジョン・ディーという魔術師(ロンドン生まれの錬金術師・占星術師)は実在し、彼が残した暗号文も実在するようです。こちらも Amazon で中古が購入できます。つまり絶版してます。
エイボンの書
ハイパーボリアの魔道士「エイボン」が記したとされるのがエイボンの書です。新クトゥルフ神話TRPGルールブック222ページに簡単な記述があります。
クトゥルフ神話カルトブック エイボンの書
クトゥルフ神話のアンソロジーであり、同時に魔道書としても書かれた一冊です。エイボンの書を最初に作った(作品に登場させた)人物であるクラーク・アシュトン・スミスによって、「エイボンの書からの抜粋である」という体裁の小説が執筆されていたりします。(実際、クラーク・アシュトン・スミスの小説も収録されています)
「私は、『偽の』魔道書がほしいと思ったのだ!」という序文が印象的な本で、オリジナル版(英語版)の出版はクトゥルフ神話TRPGの出版元、つまりケイオシアムによるものです。
全体は5章で構成されていて、それぞれテーマが違います。個人的に読みやすい(というかとっつきやすい)のは「第五の書 エイボンの儀式」ですね。
Amazon での中古品の購入価格が14000円。うそだろ?