Role & Roll vol 188 の紹介
Role & Roll vol.188 (2020年5月23日発売)の内容の紹介です。といっても中身を書くわけにはいかないので、購入の参考までにという感じで。Role & Roll の公式ページでも内容を確認できます。
特集:1/10スケール・クトゥルフ神話TRPG 第6弾 凍てつく呼び声
「1/10スケール・クトゥルフ神話TRPG」は、TRPG未経験者にクトゥルフ神話TRPGを遊んでもらうために、ルールを簡略化し、1時間程度で終わるよう調整されたシナリオ……かな? ちょっとボードゲームみたいな雰囲気があります。情報カードやNPCのトークンが用意され、技能も大幅に削減されています。また、KPは新クトゥルフ神話TRPGのルールブック、あるいはクイックスタートを一通り読んでおく必要があります。
遊んでみてはないのですが、シナリオの書き方もわかりやすく、遊びやすそうな印象を受けました。「本当に1時間で終わるの?」という気もしますが、じつは専用ルールでプレイヤーの行動回数や持ち時間などが制限されているので、普通に遊ぶと1時間で終わると思います。制限時間があるのは、The FIFTEEN を連想させます。
今回掲載されているシナリオは「凍てつく呼び声」というタイトルで、いわゆる「雪山山荘もの」です。ミステリーとしてもホラーとしてもありふれた舞台設定で、TRPG初心者であってもイメージしやすいシチュエーションだと思います。
関連リンク
無償公開版
ちょっと調べてみたんですが、この「1/10スケール・クトゥルフ神話TRPG」がなんと無償公開されてました。コロナウイルスによる外出自粛を受けて公開してくれたようです。緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ外出するには不安という人も多いと思います。ぜひ遊んでみてください。
vol.188 に掲載されているのが第6弾なので、第5弾は Role & Roll のバックナンバーを購入しないと遊べないみたいですね。(全部公開すると意味不明になっちゃうので、当たり前といえば当たり前ですが)
ちなみに第5弾は Role & Roll vol.175(2019年4月15日発売)に掲載されている「ブラックエッグ」です。
捏造ミステリーTRPG:赤と黒
2020年1月に発売された「捏造ミステリーTRPG 赤と黒」をご存知でしょうか。私もルールブックを購入したんですが、ミステリーとTRPGの相性の悪さ「結局GMの脳内当てになっちゃうじゃん」を「真相はプレイヤーが捏造すればいいんだよ」で解決した本作。竜騎士07さんがシナリオを担当した同人ゲーム「うみねこのなく頃に」をヒントに作られたそうです。
Role & Roll vol.188 では、この「赤と黒」の紹介コラムがけっこうなボリュームで掲載されています。「たまに Role & Roll を買っていて、赤と黒もちょっと気になる」みたいな人はぜひ読んでみてください。
掲載シナリオ
Role & Roll vol.188 に掲載されているシナリオの簡単な紹介です。
ウタカゼ:ウタカゼと届かなかった贈り物
小さな勇者のRPG ウタカゼのシナリオ。ウタカゼレベルアップブックも必要なようです。
シナリオレベル:4
予定セッション時間:100分
GMレス:不可
さらわれてしまった子供を助けに行く、というオーソドックスな導入のシナリオです。季節は春で、今の時期にピッタリです。セッションの舞台と現実の季節が一致してると、なんとなく外に出たくなったりしますね。
シャドウラン:消えた少年 ギャング・キッズと2枚のチップ
シャドウラン 5th Edition のシナリオ。
プレイヤーの人数は3〜5人。交渉中心の人探しのシナリオなので、情報収集能力が重要である。
高級住宅街で起こる子供の行方不明事件を扱ったシナリオです。どうやらPCに身分証明が求められるらしく、なかなか(いい意味での)ストレスがかかりそうな感じでした。
ゆうやけこやけ:まめだ
Role & Roll vol.178 で紹介されている(らしい)「ゆうこや昔話」を少しアレンジしたゆうやけこやけのシナリオ。今回のシナリオの舞台は「大江戸ゆうこや」だそうです。ありふれた江戸時代をイメージして遊べば十分、という感じで舞台の解説も書かれています。
シナリオタイトルの「まめだ」は上方落語の演目が由来のようです。私は大学時代落語研究会に所属していたんですが、えっと、その……この噺は……知らないやつですね……勉強不足……。
シナリオそのものは少し長めで、プレイ時間は4〜5時間ほどだそうです。
パスファインダーRPG:未明の決闘
2レベルのPC4〜5人に対応したシナリオで、よくあるゴブリン退治を依頼されるところからスタートします。オーソドックスなダンジョンハックもので、導入も「PCたちのパーティが依頼を受ける」ところからスタートします。
パスファインダーRPGなので、コア・ルールブック の他にGMは パスファインダーRPG ベスティアリィ を用意する必要があります。シナリオで登場するモンスターも、すべてベスティアリのページを参照する形で記述されているので、このシナリオとコア・ルールブックだけで遊ぶことはできません。
ネバー・レイト・ナイターズ:ダーティ・エネミー・アンド・ザ・ヒーローズ
タイトル長くない?
世界救済社畜TRPG ネバー・レイト・ナイターズは、社畜をやるゲームです。このシナリオは特殊なシチュエーションを使っているみたいで、ずばり「ヒーローとヴィランがいるアメコミチックな現代日本で、悪の組織の裏方に就職してしまった」という感じのやつです。めっちゃおもしろそう。ヴィランがクソ上司です。
アメコミチックな世界観といえば「僕のヒーローアカデミア」ですね。最近読んでないんだけどどうなってるんだろ。私の推しはトガちゃんです。
呪印感染:在世ノ底
呪印感染のシナリオです。
サンサーラ・バラッド:冒険者ランク検定試験
異世界転生RPG サンサーラ・バラッドのシナリオです。このゲーム全然知らないやつなので何も書けない……。ちょっと読んでみた感じだと、よくあるダンジョンハックやシティシナリオとは違った趣でした。なんだろ、頑張るNPCを助けるぜ! みたいな。
シナリオとは別に、称号キャリアのデータが6つ掲載されています。
異界戦記カオスフレア Second Chapter:たったひとつの願いのために
プレイヤー:3〜4人
プレイ時間:4〜6時間
異界戦記カオスフレア Second Chapter のシナリオです。
PC同士の決闘を前提にしたシナリオで、決闘するPCのうちどちらかが死亡することが前提みたいです。(オンラインで募集するならこのことをちゃんと募集文に書いてね、とある)要するに、悲劇に至るまでのプロセスを楽しむシナリオですね。「悲劇を何が何でも回避するぞ!」というモチベーションでのプレイは想定していない、と明記されてます。
なかなかホットなシナリオだ。
他のシステムのシナリオがだいたい4ページくらいなのに、こいつは8ページも誌面を割かれています。本気すぎる。
ディヴァインチャージャー:メーデー・メーデー!
カオスフレアの次のページからディヴァインチャージャーなの、温度差で風邪引くのでは?
神聖課金RPG ディヴァインチャージャーのアップデートブック(サプリメント)「ア・カウント・バーン」に対応したシナリオ。
シナリオレベル:7
VL:ノーマルの場合9 / ハードの場合11
シナリオ形態:シティアドベンチャー
えー、5月の〈ブルールーフ王国〉では自分が働いている職場のブラックさ加減を訴えることができる週、「メーデー」が作られたそうです。やばいですね。PCたちはそうして労働者をコキつかっているらしいことがわかった店のうち一つを調べる感じになります。
ディヴァインチャージャーよく知らないんだけどこのシナリオがネタに全振りしてるのはわかる。と思いきや内容を読んでみるとけっこうシリアス風味だった。
迷宮キングダム:ゆるされずとも、のぞむもの
プレイ人数:二人
対応レベル:1
プレイ時間:4時間
迷宮キングダムの少人数シナリオです。2人プレイのシナリオは需要ありそう。
シナリオとは別に、プレイヤー2人で遊ぶ際のガイドも掲載されています。具体的には、配置する脅威の基準や、いくつかのルールの改定案が書かれていました。
獸の森:断崖ト襲撃
モダンファンタジーRPG 獸ノ森のシナリオです。 Role & Roll vol.186 掲載の「登坂及び落下ダメージ」のルールを使ったシナリオですが、該当する号を持っていなくても遊べるようになっているみたいです。
時間制限がなく途中撤退有りのダンジョンハック系シナリオで、山登りをします。
ダークデイズドライブ:ハイスペイケメンの専用車両はヒラのイケメンが届けている
なんて?
このシナリオは作りたてのイケメン二人から四人を対象とした『ダークデイズドライブ』のシナリオです。
ダークデイズドライブ、ディヴァインチャージャーに続く低IQ枠みたいになりつつある(私の中で)
シナリオ読んでるとイケメンがゲシュタルト崩壊する。あとハイスペ。ハイスペイケメンはやはりただのイケメンより強いらしい。追加エネミーに「ハイスペイケメン(石油王)」って書いてあるし強そうだ。
石油王系の顔立ちでイケメンというと、イケメンすぎて国外追放されたオマールさんを思い出しますね。
この人は石油王ではなくてモデルさんです(念の為)。
インセイン:或る家族の肖像
マルチジャンル・ホラーRPG インセインのシナリオです。
導入部分を読んでみましたが、これはめちゃくちゃおもしろいと思います。現代日本のPCで挑戦するシナリオで、1920年代のドイツで起きた殺人事件に関わります。
タイプ:協力型
リミット:3
プレイヤー人数:4人
インセインの基本ルールブックと、ルールブック2「デッドループ」の狂気カードを使うようです。
まとめ
遊んだことのないシステムが多いですね。最近出版されたシステムはだいたい未プレイです。
本棚にあった Role & Roll vol.116 なんかと見比べてみたんですが、システムの数がめちゃくちゃ増えてる感じがします。このペースで増え続けるとプレイヤー探しが大変になりそう。個人的には、ライトなゲームよりヘヴィなゲームが増えてほしいです。
シナリオではないので紹介しませんでしたが、エクリプス・フェイズの Rimward の情報が掲載されていたのも良かったです。現在翻訳中の Sunward はいつ頃でるかな。
また、コロナウイルスの流行に伴って、サークル&コンベンション情報のページが休載していて、代わりにオンラインセッションのツールややり方が紹介されていました。